知財転職サービスの使い方

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転職を考える際、特に知財業界では、転職サービスをどのように活用するかが大きなポイントとなります。知財業界は、特許、商標、著作権といった専門知識が求められるため、その転職活動にも独自の課題が伴います。ここでは、知財業界での転職を成功させるために理解しておくべき転職サービスの種類について詳しく見ていきます。また、転職サービスに依存しない直接応募も、有力なアプローチ方法として存在しています。

転職のアプローチは大きく分けて、以下の3つに分類されます。

  • 紹介型の転職支援サービス
  • 広告型の転職支援サービス
  • 直接応募

紹介型の転職支援サービス

紹介型転職支援サービスは、転職エージェントが求職者を特許事務所などの企業に直接売り込む形でサポートを行います。このタイプのサービスでは、エージェントが求職者の履歴書や職務経歴書を元に、個別に企業に対してその人材を推薦します。求職者はエージェントのネットワークと専門的な知識を活用することで、より自分に合った職場を見つけることができます。

このサービスの大きな利点は、エージェントが求職者の希望やスキルを深く理解し、それに合った求人を探してくれる点です。また、面接のセッティングや条件交渉など、転職活動のあらゆる面で手厚いサポートを提供します。特許事務所にとっても、エージェントが事前に選抜した適切な人材を紹介してくれるため、採用プロセスが効率的になります。

紹介型転職支援サービスの収入源は、特許事務所が支払う報酬です。この報酬は一般的に、転職者の年収の約30%とされており、例えば、年収500万円の転職者を採用する場合、特許事務所はエージェントに対して約150万円の報酬を支払うことになります。この報酬は、特許事務所が短期間で適切な人材を確保するための投資と見なされます。

紹介型転職支援サービスには、主に「広域アプローチタイプ」と「マッチング型アプローチタイプ」の2種類が存在します。これらのサービスは、求職者と企業を結びつける手法において、それぞれ異なる特徴とメリット・デメリットを持っています。

紹介型の詳細

広域アプローチタイプ

広域アプローチタイプのエージェントは、求職者の履歴書を幅広い企業や特許事務所に一斉に送信することで、広範囲にわたって企業の反応を探ります。この方法では、エージェントが求職者の履歴書から個人情報を隠し、氏名や住所を非公開にした状態で、広く企業にアプローチを行います。求職者は自分の希望や経験をエージェントに伝え、エージェントはその情報を基にして、適切な企業からのフィードバックを待ちます。

このアプローチのメリットは、短期間で多くの企業にアプローチできることです。広範囲に情報を送ることで、迅速に転職先が見つかる可能性が高まります。また、予想もしなかった企業やポジションとの出会いがあるかもしれません。例えば、特許業界では、自分が想像していなかったような企業からのオファーが来ることもあります。これにより、求職者はより多くの選択肢を持つことができるでしょう。

一方で、この方法にはデメリットも存在します。一斉送信されるため、求職者の希望や特性が細かく反映されないことがあります。結果として、自分のスキルや経験に合わない企業からも連絡が来る可能性があります。また、多くの企業から同時にアプローチが来るため、どのオファーを選ぶべきか迷うこともあるでしょう。このような場合は、エージェントとよく相談し、自分の希望に最も合った選択肢を見極めることが重要です。

マッチング型アプローチタイプ

マッチング型アプローチタイプのエージェントは、求職者の情報をデータベースに登録し、企業がその中から適切な人材を特定して直接オファーを出す形式です。この方法では、エージェントが運営する会員制のデータベースに求職者の履歴書や職務経歴書を登録し、企業側がその情報を閲覧して、興味を持った求職者にアプローチします。企業は、データベースから自分のニーズに最も適した人材を見つけ出し、オファーを出すことができます。

このアプローチのメリットは、企業が自ら求職者を選び出すため、企業のニーズに非常に合致したオファーが来ることが期待できる点です。企業は、求職者のプロフィールを詳細に把握した上でオファーを出すため、より具体的な役割や条件についての交渉がしやすくなります。これにより、求職者と企業の間で、より深い理解と合意が得られやすくなります。

しかし、マッチング型アプローチにはデメリットもあります。求職者側が待つ立場になるため、企業からのアプローチを受けるまでの時間が予測できないことがあります。また、希望する企業からの連絡が来ない場合、他の選択肢を考える必要が出てきます。このような場合には、エージェントと密に連携を取り、どのような企業が求職者に興味を持っているのかを常に確認しながら進めることが重要です。

広告型の転職支援サービス

一方、広告型転職支援サービスは、求人広告をインターネット上に掲載することで、求職者と企業を結びつける方法をとります。このサービスでは、特許事務所や企業が求人情報をウェブサイトに掲載し、求職者は自らその情報を検索して応募することができます。

広告型サービスの利点は、求人情報が広く公開されていて、その中から求職者が気に入ったものを選択できる点です。Indeedなどのサイトは、この形式の代表例です。これらのプラットフォームでは、求職者が履歴書を登録しておくと、求職者は簡単に特許事務所に応募することができます。

広告型転職支援サービスの収入源は、特許事務所や企業が支払う広告掲載料です。この掲載料は、月に数千円から10万円程度であり、紹介型サービスに支払う紹介料と比較するとやや低額です。特許事務所にとっては、紹介型に比べてコストが抑えられるため、費用対効果の高い採用方法と言えます。

広告型の詳細

広告型転職支援サービスは、企業が自社の求人情報を広く求職者に知らせるために活用される方法です。このサービスは、企業と求職者の間に直接的なつながりを築くことができ、特に以下の点で特徴的です。

まず、企業は自社の求人広告をオンラインプラットフォームに掲載します。この広告には、仕事内容や必要なスキル、給与情報などが詳しく記載されており、求職者はこれを基に応募の判断をします。この方式では、企業は求人広告の掲載料を支払うだけで、採用が決まった際にも追加の報酬は発生しません。これが転職エージェントとの大きな違いです。

広告型サービスのもう一つの利点は、求職者が自分の応募先を自由に選び、コントロールできる点です。履歴書を送る相手は自分で決めるため、プライバシーが守られやすく、情報が広く拡散するリスクが少なくなります。これは、特に自分の情報を多くの企業に見せたくない求職者にとって大きな安心材料となります。

また、広告型のプラットフォームは、求職者が直接企業に連絡を取るための機能を備えている場合が多いです。これにより、迅速なコミュニケーションが可能となり、応募手続きが効率的に進められます。求職者は応募する前に企業やポジションの詳細な情報を確認できるため、自分の条件や希望に合った求人を見つけやすくなります。

特許事務所や企業にとって、広告型転職支援サービスはコストを抑えつつ、広く求職者を募集する手段として非常に有効です。一方、求職者にとっても、応募先を自分で選び、直接応募することで、自分のペースで転職活動を進めることができます。全体として、広告型転職支援サービスは、企業と求職者の両方にとって、効率的で透明性のある採用プロセスを提供します。

直接応募

最後に、転職を考える際には、転職サービスやエージェントに依存せずに、直接応募するという方法も検討する価値があります。特許事務所は自身が運営する公式サイトを持っており、そこに記載された連絡先に応募する、いわゆる、直接応募が効果的なこともあります。

まず、特許事務所の数は限られているため、勤務地や条件などを基に自分で簡単に絞り込むことができます。大規模な企業とは異なり、特許事務所は地域ごとに数が少なく、応募先を選びやすいのです。例えば、自宅からの通勤時間や職場の雰囲気など、自分にとって重要な要素を基に特定の事務所を選ぶことが可能です。

また、特許事務所は比較的小規模であるため、所長やパートナーの人柄や事務所の雰囲気を事前に調べることが比較的簡単です。知り合いや同業者からの評判を聞いたり、事務所のウェブサイトやSNSをチェックしたりすることで、働きやすさや文化を把握する手助けになります。これにより、自分に合った職場かどうかを判断しやすくなります。

さらに、特許事務所への直接応募が採用されやすいと感じることがあるかもしれません。その理由の一つは、企業が採用する際にかかるコストの削減です。直接応募の場合、企業は費用を負担せずに済むため、採用のハードルが下がることがあります。特に小規模な事務所やスタートアップでは、コストを抑えつつ優秀な人材を採用したいというニーズが強いため、直接応募は効果的なアプローチとなることがあります。